なごやか読書会第四回   三島由紀夫著「金閣寺」  報告者 大畠啓三     2013/10/14

報告者  大畠啓三

あらすじ

第一章 主人公の生い立ち,有為子との出会いとその死, 父親に連れられて金閣寺を見る。

第二章 金閣寺の徒弟となり, 臨済学院中学部へ転校。鶴川との出会い。戦火にさらされる

金閣寺と自分の人生を重ねる。南禅寺山門から出征する士官とその妻を遠望。

第三章 父の一周忌で母が田舎の寺を処分していたことを知る。敗戦で金閣寺が永遠に存在し, 自分とは別の存在になったと意識。参観に来た米兵の指示通り, 妊娠した女性の腹をける。

第四章 大谷大学予科に入学, 柏木と出会う。柏木の考え方に翻弄される。 

第五章 嵐山で柏木の連れてきた柏木の下宿の女性と二人になったとき, 金閣寺があらわれる。台風のせまる宿直の夜, 金閣寺と対峙する。

第六章 鶴川の死, 南禅寺からみた女性と再会し二人になったとき, また金閣寺があらわれる。自分の人生にたちはだかる金閣寺を「いつか支配してやる」と思う。

第七章 金閣寺老師の「女遊び」をめぐっての主人公の工作。柏木に借金をし, 出奔し生まれ故郷に近い丹後を旅する。

第八章 旅先で「金閣寺を焼く」ことを考える。警察に保護され寺にもどる。柏木が借金の督促を老師にし, 老師から叱責される。

第九章 老師から渡された授業料で「五番町」へ。老師の対応に反抗して対決。

第十章 金閣寺を焼く手筈と自殺をする準備をする。放火をして「究竟頂」で死のうとするが, 扉があかず, 裏山へ逃げる。燃える金閣寺をみながら「生きよう」と思う。

主テーマ   吃音の主人公が外界へ挑戦する度に, 絶対美として立ちふさがる「金閣寺」戦争中は自分の死と同じように「いつか滅びる」と思っていた金閣寺が敗戦により焼失を逃れたとき, 主人公は「金閣寺を焼き, ともに滅びること」により自分が救えると決意。裏山から燃える金閣寺をみながら, 「生きよう」と思う。

 

感想  ①主人公に対し, 「絶対美の金閣寺」は時代的には何を象徴するのか

②柏木と主人公を対比させる作者の意図は何か

③作者が主人公に「生きよう」と思わせるのは何故か

註 実際の放火犯である林養賢は自殺をはかり, 意識朦朧とした状態で発見される。刑に服したのち病院で死亡(父と同じ結核)。 養賢の死亡する前に金閣寺は再建される。

  金閣寺焼失   昭和25(1950)  72日  養賢21

  金閣寺再建   昭和30

小説「金閣寺」 昭和311月から新潮に連載10月に出版,  37日に養賢死亡

以上     

                         資料  1

三島由紀夫メモ

 

1925(大正14) 生まれ  

1941(昭和16) 「花ざかりの森」

1945(昭和20) 第二乙種に合格も, 入隊の際の誤診で即日帰京

1947(昭和22) 東大法科卒 大蔵省 翌年退職

1949(昭和24) 「仮面の告白」

1954(昭和29) 「潮騒」

1956(昭和31) 「金閣寺」

1960(昭和35) 「宴のあと」 

1961(昭和36) 「憂国」

1966(昭和41) 「英霊の声」

豊穣の海4部作 1965春の雪, 1967奔馬, 1968暁の寺, 1970天人五衰

1968(昭和43) 自衛隊体験入隊, 「楯の会」結成, 「わが友ヒットラー」

1970(昭和45) 1125日  自衛隊市ヶ谷駐屯地 で自決  45

 ホーム へ